ニューヨークでも最も忙しいといわれる第21分署、

車や人の行き交う路上に、警察の車が、乱暴に止まって、中から、初老の刑事に若い女性が引き立てられて来る。どうやらカバンの万引きをして、捕まったものであるらしい。この女性は初犯で、警察も初めて、オドオドして、珍しそうに署内を見回す。指紋をとられ、「トイレで手を洗って来い」といわれ、さらにビクビク。老刑事は、ちゃんとした保護者が迎えに来るなら、許してもいいといった雰囲気で、刑事の机上の電話(まだ携帯が、一般化されていない時代の物語)から、「家族に電話しろ」という。しかし女性は「叱られる」と言って、モジモジするばかり。「知った弁護士はいないのか」という問いにも、姉の夫が弁護士だが、「怖くて余計に叱られる」という。「信頼できる友達でもなんでも、早く思い出せ。警察が信用できる人なら誰でもいい」というが、万引きが友達に知られるなど、格好が悪いと、女性は黙ってふさぎこむばかり。
警察への出入りは激しい。「近隣の騒音がうるさいから、もっと取り締まって欲しい」とうるさく言い立ててくる女性、再三やってきて、警察を困らせている人物らしく、応待した警官は、「警備の警官を倍に増やすから」と言って、納得させて帰らせる。やがて、押し込み強盗を働いたとして、二人組も捕まってくる。イタリア系米人の、マフィア崩れの常習犯らしく、「早く取調べを済ませて、刑を決めてくれ」と居直ったまま。少し離れた椅子に座ったままの万引き女性は、そういう光景も、珍しそうに眺める。そういう視点の映像カットが、挿入されていくのも新鮮な演出。